シェクスピアとドアルド・ダール
シェクスピアのソネット18番の展開はロアルド・ダールの童話「ライオン」と同じである。すなわち、あれこれ、あれこれと言っても結局詰まるところは最後の一文だ、と展開している。
| ソネット第18番 ウィリアム・シェイクスピア 戸所 宏之 訳 君を夏の日にたとえようか。 いや、君の方がずっと美しく、おだやかだ。 荒々しい風は五月のいじらしい蕾をいじめるし、 なりよりも夏はあまりにあっけなく去っていく。 時に天なる瞳はあまりに暑く輝き、 かと思うとその黄金の顔はしばしば曇る。 どんなに美しいものもいつかその美をはぎ取られるのが宿命、 偶然によるか、自然の摂理によるかの違いはあっても。 でも、君の永遠の夏を色あせたりはさせない、 もちろん君の美しさはいつまでも君のものだ、 まして死神に君がその影の中でさまよっているなんて自慢話をさせてたまるか、 永遠の詩の中で君は時そのものへと熟しているのだから。 ひとが息をし、目がものを見るかぎり、 この詩は生き、君にいのちを与えつづける |
ライオン
ライオンは肉が大好き
赤い、やわらかい山盛りの肉
ライオンに、何が一番
おいしいですかと訊けば
子羊ローストでなく、牛肉カレーでもなく、
ハムでもなければ、ソーセージでもない、羊のマッシュポテトでもない。
「それなら太ったメンドリ?」
「いや、違う」
ええっ、じゃ、ライオンさん、すてきなステーキなら、よだれが出るね。
ウサギのパイや野ウサギ焼きなら、あなたの住み家から出て来るね
ライオンさんは、にっこり首を振り、
僕のところへじりじり寄って来た。
「わしが今から食べるのはステーキでも小ぶりの肉じゃないんだ。
ズバリ、お前だ!」
Shakespeare and Roald Dahl
Sonnet 18
The Lion
by Roald Dahl
The
lion just adores to eat
A
lot of red and tender meat
And
if you ask the lion what
Is
much the tenderest of the lot
He
will not say a roast of lamb
Or
curried beef or devilled ham
Or
crispy pork or corned beef hash
Or
sausages or mutton mash.
Then
could it be a big plump hen?
He
answers no. What is it, then?
Oh,
lion dear, could I not make
You
happy with a lovely steak?
Could
I entice you from your lair
With
rabbit pie or roasted hare?
The
lion smiled and shook his head
He
came up very close and said:
‘The
meat I am about to chew
Is
neither steak nor chops. IT’S YOU!’”

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