Saturday, April 13, 2024

狭くなる空 The Sky Is Getting Narrower

 狭くなる空

空が狭くなっている。といっても、空そのものが狭くなっている訳ではない。頭を上げて空を眺めると、空の見える範囲が狭くなっている。空が見えた所に高層ビルやマンションが建ち、視界を遮っている。

私の住んでいるマンションの庭から西の空を眺めると、目下、高層マンションが建設中だ。朝からガンガン工事音が聞こえる。今のところ14階までできているが、まだ上に伸びそうだ。お陰で、夕焼けの美しい空が、その分狭まっている。夕日ががマンションの庭に咲いている樹々を照らし、木々の葉っぱを明るく赤く染めていたが、それもマンションが高くなった分、減る。空一杯に広がった夕焼けを見たいのにできない。日没まで陽が庭の樹々を照らして欲しいのにできない。

都会は何と味気ないところとなって来たことか。

Saturday, March 30, 2024

おめでたい奴  A Simple-minded Man

 

おめでたい奴

人間は物事を勝手のいいように解釈するようだ。勝手に導き出した結論によって心配するというようなことがある。

実は、恥ずかしながら、上記のような体験をしたのでここに記しておきたい。

小生は物語を書くことを趣味としている。その範囲は長編、中編、短編、掌編、はたまた童話や児童ものにまで及ぶ。広範囲だからと言って自慢している訳ではない。今までに数えきれないほど落選している。

 今年の1月に応募したのは「アンデルセンのメルヘン大賞」である。我ながら素晴らしい作品ができたと思った。主人公は地球君だ。地球君が土星や木星や彗星や月をうらやましく思って、自分もあのように美しくなりたいと思う。彗星が近づいてきて、「地球さんほど美しい星はないですよ」という。自分では気が付かなかったが、端から見ると美しく見えるのかと思い直し、他の星々をうらやましく思うのを止める話である。

大賞を受賞すると、30万円とデンマークペア旅行などが副賞として授与される。

ここから、あらぬ妄想が沸き起こり「もしペア旅行が当たったらどうしよう」と気になり始めた。わたしは81歳だし女房も後期高齢者だ。デンマークまでの長時間飛行に耐えられるか。ロシアのウクライナ侵攻でモスクワ経由は駄目だろうから、コペンハーゲン空港までの飛行時間は14時間ぐらいになるかと思った。エコノミークラスの飛行だから、私達夫婦は体がもたない。もし、ペア旅行が当たったら、主催者に頼んでビジネスクラスに代えてもらうしかないと思った。差額はこちらが負担するのは勿論だ。あれこれと心配することが多くなって来た。「何と言ったって、体を鍛えておかなければ、ベルギー旅行は無理だと思い、毎日5000歩き、階段を登り、運動をして体を鍛えた。

結果の発表が正式には4月2日であったが、先日主催者からぶ厚い角封筒が届いた。落選なら便箋一枚しか入っていないので、ひょっとして入選したかと思った。

ドキドキして開封したら、なんと……。

落選。

残念、無念。でも良かった。もう心配しなくて済む。ゆっくり眠れる。

この3か月間、あれこれ空想するのは愉快であった。次回も狙ってみよう。次回の締切は来年1月10日の予定だ。

A Simple-minded Man

Monday, March 25, 2024

君たちはどう生きるか(映画) How to LIve (animation)

 君たちはどう生きるか(映画)

人生論の映画と思い、映画に行かなかった。

ところが、最近、アカデミー賞を受賞した。長編漫画賞受賞らしい。

アカデミー賞を受賞するくらいだから見る価値があると思って観てきた。漫画の画像と音響効果は巧くできていた。登場人物、動物など表情を上手く描いていた。

ところが、話の筋がさっぱり分からない。何かの目的達成のために主人公が努力する映画でもない。二番目の母親との葛藤を描いてもいない。話すことができる鶴の化物の意味、ペリカンの意味、大叔父の存在の意味、死んだ母親が溶ける意味、ふわふわ浮く丸い物の意味、反戦映画でもない。

正直、つまらなくて映画の途中で帰ろうと思った。でも、金を払ったから最後まで見たが、何が何だかさっぱり分からない映画だった。

宮崎氏は一体何を伝えようとしていたのか。どこが良くてアカデミー賞を受賞したのか。

100点満点で10点ぐらいの映画であった。時間と労力と金の無駄であった。

 

Monday, March 4, 2024

AI アナウンサー AI Announcer


 AI アナウンサー

最近のNHKのニュースを読むアナウンサーはAIである。以前と違って、読み方がとても巧く、まるで人間のアナウンサーが読んででいるように聞こえる。しかも、一定のリズムで、淡々と読み進め、間違ったり、とちったり、詰まったりはしない。完璧なアナウンサーである。

ところが、余りにも完璧であるので、聞いていて嫌になることがある。機械が読んでいるからだ。少しぐらいは間違えてもいいのに、全く間違えないのは愛嬌がない。NHKのベテランのアナウンサーでも、時々間違えることがある。

それまでは、二三回たて続けに間違えると、プロのアナウンサーのくせに、間違えるとは怪しからんと思っていたが、これでいいのだ。To err is human.という言葉があるが、だれにも過ちはあるもの、この世に間違いをしない人はないのだ。アナウンサーが間違えると、ほっとする。人間らしい。血肉を感ずる。人間のアナウンサーだ、と安心する。怪しからんと思うどころか、結構なことではないか。

そのうちに、AIアナウンサーも態と間違えて読むようになるかもしれない。A

AI Announcer

Recent NHK TV news is read aloud by an AI announcer. It reads smoothly and rhythmically without making any mistakes. It never stutters nor mumbles. To hear him or her reading some news, you would think it is read by a professional announcer.

However, I feel uneasy listening to it because an artificial intelligence or, I should say, a machine is reading it. Naturally, the way it reads is impeccable. I even detest it. Why doesn’t it make any mistakes? It is cold and heartless. I know that even NHK’s veteran announcers sometimes nod.

      Until recently I had blamed them for their mistakes. “Oh, again. He shouldn’t make any mistakes. Isn’t he professional?” I used to say to myself.

But that is all right. To err is human.  Anybody will make a mistake. There is nobody in the world but makes an error. When an announcer makes a mistake, I forgive him. He is not a machine but a human. Because he is a human announcer, I am relaxed. Isn’t it nice that an announcer is human?

     Probably in the near future, an AI announcer may stutter.

 


Friday, February 23, 2024

薬漬け  Overdose

 薬漬け

この4年ほど、前立腺肥大の薬を毎朝二種類ずつ服用して来た。尿の出が悪かったり、頻尿を治すためだ。3ヵ月ごとに病院で尿と血液の検査をしてきたが、これまで前立腺癌とかにはかかっていない。

ところで、最近、歩行がふらつくようになって来た。真直ぐに歩こうとしても左や右にずれる。脳のスキャンをしてもらったが異常はない。

テレビで、薬漬けは身体によくないし、副作用があると聞き。ふらつきは薬のせいかと思い、試しに薬を飲むのを止めた。

ところが、薬を1ヵ月ぐらい服用してなくても、排尿の具合は薬を飲んでいる時とあまり変わらない。それで、服用を全く止めた。

そのせいか、どうか分からないが、歩行時のふらつきが、やや治まったような気がする。

先日、病院で尿の検査をしたが、特に異常はなかった。ただ、膀胱炎らしく、抗生物質を処方してもらった。

薬を服用したほうがいいのか、しなくてもいいのか分からない。


Overdoze

I have taken two kinds of tablets for prostatic enlargement every day for the past few years. They have made urination easier, decreased urination frequency, and controlled urinary urgency. I have seen my urologist once three months and had my blood and urine checked. I do not suffer from prostatic cancer.

Recently I have come to feel unsteadiness while walking. My feet do not move as I want them to. They somehow wobble. I had my brain scanned, but it was normal.

Meanwhile, I learned from a TV program that taking too much medicine develops side effects. I thought my wobbling was caused by the medicine. So, I stopped taking the tablets. I thought not taking the tablets would cause some urinary problem, but, to my surprise, no problem occurred. My urination was almost the same as before. Since then I have not taken them  for the past three months.

It seems my wobbling has been a little cured. I do not know why. Maybe because I stopped taking medicine.

The other day, I had my urine checked at the hospital. It had no serious problems. I told the doctor I had stopped taking the medicine. He heard me and prescribed no medicine.

He said, instead, I had bladder inflammation. He prescribed antibiotic drug for five days.

Fortunately, now the bladder inflammation has been cured.

I do not know whether I should take medicine or not. 


Wednesday, January 31, 2024

スマホを持たずんば人にあらず Without a Smartphone, You Are Not a Human.

スマホを持たずんば人にあらず

最近、ある新聞に次のような投稿があった。投稿したのは63歳の女性である。
「先日、耳鼻科に行き順番を待っていた。待合室には多くの人がいた。高齢の女性が「初めてですが」と受付に声を掛けると、受付の女性は「午前の予約は終わりました。午後は二時からスマートフォンかパソコンで予約してください」と答えた。女性は、スマホを持っておらず、「午後の予約を、ここででできませんか」とお願いした。が、受付の人は断り、女性は帰って行った。この耳鼻科は電話予約も駄目で、ネット予約のみであった。ネットを使えない高齢者は多いと思うので、配慮があるといいと残念に思った」
「スマホを持たずんば人にあらず」の世の中になって来た。人間は近い将来スマホに牛耳られるだろう。もう既に牛耳られているかも。

Without a Smartphone, You Are Not a Human.

Recently I read a letter to the editor written by a 63-year-old woman in a newspaper. She wrote:

“The other day I was waiting for my turn at an otolaryngology clinic. There were many patients there. An elderly woman came and said to the sign-in-desk clerk, “This is my first visit here.” The clerk replied, “The morning sign-in has finished. We will resume it at two o'clock in the afternoon. Please make an appointment with a smartphone or a personal computer.” The woman replied, “I don’t have a smartphone or a computer. Can I make an appointment for the afternoon now?” The clerk said, “No, you can’t.” So, the woman left the dental clinic.

Later I learned that this clinic does not accept telephone appointments, either. That means the appointment is accepted only via the Internet.

I feel sorry for the old woman. There are many aged people who cannot use the Internet. Clinics should pay kind attention to such old people.

About 1000 years ago in Japan, it is said that if you do not belong to the Heika clan, you are not a human being.” Today, the words have changed: if you don’t have a smartphone, you are not a human being.

In the near future, human beings will be controlled by smartphones. Oh, some of them have already become smartphone slaves, haven’t they?  


Thursday, January 18, 2024

ハッピー・ニュース番組 Happy News Programs

 ハッピー・ニュース番組

今年は元旦から嫌なニュースが多い。特に能登半島地震のニュースが連日続き、既に220人の方が亡くなっており、行方不明者が多数いる。災害地の惨状や避難所の状況をテレビで見るたびに心が痛む。

悲惨なニュースは日本国内だけではない。ウクライナとロシアの戦争、ガザ地区へのイスラエル軍の侵攻。ガザ地区での二万人以上の死者と多数の難民など、見るに堪えられない。

このようなニュース番組をテレビで見るのは精神的に良くないと思い、最近は適当なところでチャンネルを変えことにしている。

チャンネルを変えると、別世界である。グルメ番組、お笑い番組、ゲーム番組、歌番組などが映る。一方では悲惨、他方ではお祭り騒ぎ。どこかおかしいのではないか。

名古屋の精神科医野村紀夫氏によれば、相手に共感しすぎて精神的に疲れてしまう。これを「共感疲労」と言うそうだ。共感疲労を感じている場合は、ニュースを見る時間を制限するといいそうだ。

一概に、ニュースは事故、事件、災害、殺人、詐欺、汚職、殺人、天変地異が多い。これでは視聴者を苦しめるばかりだ。NHKは楽しいニュース、明るいニュース、心温まるニュース、力を与えてくれるニュース専門の「ハッピィ・ニュース番組」を新たに作るべきだ。

MATの目」では、今年はその方針で行く。乞うご期待!


Happy News Programs

This year began with distressing news. Every day, the news about the Noto Peninsula Earthquake is being broadcast. I hear more than 220 people have become victims and many are missing. I feel sad whenever I see the miserable people in the evacuation centers.

   Such scenes are not limited to Noto Peninsula. Russia and Ukraine are at war. Israel is attacking Gaza Strip, where more than 20,000 people have evacuated from their homes. I can’t endure to watch them on TV.

   Watching the sad news programs is not mentally good for me. So, recently I change the TV channel during such news programs. Once you change the channel, you see completely different programs such as gourmet, fun, games, or song programs. One channel shows disasters and another shows crazy festivity. Something is wrong, isn’t it?

To be continued