Thursday, June 4, 2020

亀趺と天禄辟邪と私

亀趺きふ天禄辟邪てんろくへきじゃと私



「瓔珞」エンドロールの一場面
東光寺の亀趺
天禄辟邪(輝政公の碑石)

 最近書いている小説(「碑石を立てる」)の資料を読んでいて、亀趺(きふ)と天禄辟邪(てんろくへきじゃ)という難しい言葉に遭遇した。
 亀趺は亀の胴体と龍の頭を持った霊獣で、その背中の上に墓石を載せている。亀は万年の寿命であるので、墓が永劫に持続することを願っている。
 修学旅行で、生徒を連れて萩に行ったとき、東光寺の毛利家の墓所を訪れたことがあるが、代々の毛利家の墓はどれも亀趺の上に立っていた。なぜ亀の上に立っているのだろうと思ったことがあったが、今やっとわかった。
 天禄辟邪は墓石に彫られる二匹の霊獣で、鹿の姿をしている。天禄は角が一本で辟邪は二本ある。天禄はあの世で福禄に恵まれ、辟邪は邪悪を避ける願いが込められている。「禄」と「鹿」は同じ「ろく」という表音文字である。
 今、「瓔珞(えいらく)」という中国ドラマを見ているが、エンドロールの背景に鹿の絵が登場する。福禄の意味が込められているではないか。






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