Tuesday, September 1, 2009

[52] お化け屋敷とドーナツ


 オアシス21広場のパン屋さんでアイスコーヒーを飲んで、ドーナツを食べていた。私の椅子は広場に面しており、12メートルぐらい先に夏の出し物、お化け屋敷が建っている。その出口が私の真正面にある。
 一興を思いつく。お化け屋敷から、みんなどんな顔をして出てくるだろう。顔を観察するのも面白い。
 しばらくして、若いカップルが手をつないで登場。ケラケラ笑っている。どうも怖くなかったようだ。ここでドーナツを一口。コーヒーも一口。今度は、女子高生グループが現れる。げらげら笑っているが、怖い暗闇の冒険から解放され、ホッとして、「ああ、怖かった。身体コチコチじゃん」と言っているよう。
 さらに観察を続ける。ドーナツは3分の2食べた。すると、女の人が、2、3歳ぐらいの坊やを抱いて、5歳ぐらいの男の子の手を引いて出てきた。坊やは大声で泣いている。お兄ちゃんは興奮している。お母さんはパン屋に気が付き、どんどん私の方に向かって歩いて来る。入口のドアが開いて、坊やの泣き声が店中に響く。お母さんはドーナツを買って坊やに勧めるが、坊やは「いらない!」と言う。

          ドーナツを 食べてやらない 怖かった

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