Friday, September 2, 2016

守さんの墓石 MAMORU'S TOMBSTONE

 昨日大垣に行く用事ができて、用事を済ませた後、お墓参りをした。
お盆の墓参りは都合で出来なかったので、ちょうど良い機会だと思って出かけた。
墓を掃除して、花を活けて、線香を焚いてお参りして、さあ帰ろうと思って隣の墓を見ると、中年の女性が墓参りに来ていた。隣の墓は私がよく知っている墓で、私が中学3年だったころ、大垣商業高校の野球部の生徒がバットに当たり亡くなるということが起こった。当時は大垣でも大きなニュースで、その亡くなった高校生の名前が〇〇守さんだった。
その後、守さんの墓が私の先祖代々の墓の通路を隔てた隣に建てられたのだ。真新しい墓石に「OO守乃墓、享年17、昭和33年」と彫られていた。その後、私は墓参りをするたびに守さんの墓を見て、事件のことを思い出していた。
ところが、昨日、その墓石の前で30代の女性が墓参りをしていた。思わず私は「失礼ですが、その墓は〇〇守さんの墓ですね」と声をかけた。女性はびっくりしたように「はい」と答えた。
私が当時のことを話すと、女性は守さんの兄弟の孫に嫁いだ人であった。
「野球部の事故で亡くなったと聞いていましたが」と言われた。
別に私は個人的に守さんとは面識がないのだが、このように親族の方と守さんの「思い出話」ができたとは奇遇であった。年を取るのは嫌だけれど、こんな不思議な経験もできるのだと思った。

ENCOUNTER

  I visited my ancestors’ grave today. I decorated the tombstone with chrysanthemums. When I stood up after praying, I saw a woman praying before a neighboring tombstone. It had been erected to commemorate the death of a boy, who was killed when a broken bat flew into the stands and hit him. The accident happened about 60 years ago when I was a small boy. His tombstone was coincidentally built near my ancestors’. It was engraved “Mamoru Yamada. Died at the age of 17 in 1958.”
  “That is Mamoru Yamada’s tombstone, isn’t it?” I said to her.
  “Yes,” she replied, surprised.
  I told her about the incident. She was the wife of Yamada’s nephew. I have never met him, but today I had a chance to meet his relative.

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