Wednesday, March 30, 2022

初めての長編小説 First Novel

 初めての長編小説 

「黒い花魁」というタイトルの長編小説(400字詰原稿用紙492枚)を脱稿し、「小説すばる新人賞」に応募した。葛飾北斎の娘・応為ことお栄が「吉原格子先之図」を完成するまでの話であるが、執筆に10カ月ぐらいかかっている。鶴舞図書館と愛知アートライブラリーで北斎と応為の関連の書籍や小説はほとんど読み、資料を基に仕上げた。時間と労力と精神力の戦いであった。あと10年若ければと思うが、こればっかりはどうにもならない。一次審査が9月だ。せめて一次は通って欲しい。




First Novel

30年後 After 30 Years

 30年後

三十年ぶりに従妹と話をした。彼女は私より10歳ほど年下で70歳に近い。

コロナ禍で昨年の9月に久しぶりに大垣の墓参りに行ったら、どなたかが墓の掃除をして花を活けてくれていた。大垣の親戚は既に全て亡くなり、墓参りをしてくれそうな人の心当たりがなかった。数年前から、墓参りに行くたびに墓の掃除がしてあるので誰かと思っていた。

そこで、置手紙をしてきた「どなたか墓参り、いつもすみません。ご連絡してください。電話番号 松岡博」紙片に書いてビニール袋に入れ、墓石の段のところに置き上から石を置いた。

従妹のN子さんが半年後の今年の三月それを読んで長い手紙をくれた。実家の墓参りを兼ねて、大垣の墓参りもしているとのこと。N子さんは私の叔母の娘で岐阜に住んでおり、叔母は美濃高田に嫁いでいた。

さっそく、N子さんに電話をした。