HASTE MAKES WASTE
I had a bitter experience at Nagoya Station about 45 years ago, because I was suspected of cheating the train fare. At that time I was commuting from Ogaki to Nagoya as I went to a university in Nagoya.
That day, I arrived at Ogaki Station out of breath just when the train was leaving, bought a ticket for Nagoya, and jumped onto the train. Reaching Nagoya Station, I was going through the wicket, when the ticket collector stopped me. He said, “This is a ticket for Ichimiya.” "What?" I thought. "That can’t be true, because I said to the ticket seller at Ogaki Station, ‘A ticket for Nagoya.’” Strangely enough, however, the ticket I had given to the ticket collector read ‘Ichimiya.’
“But, this is a ticket for Ichimiya, young man,” the ticket collector said.
“But, I said at Ogaki Station, ‘a ticket for Nagoya,’ and got this one.”
“Then, why didn’t you confirm the ticket?”
“Who on earth would take such a trouble? I definitely said to the ticket seller, ‘For NAGOYA,’ paid the fare, and got this. The ticket seller must have made a mistake.”
“Is that true?”
Both of us began to speak harshly.
The ticket collector then telephoned Ogaki Station to speak to the ticket seller, and found out the cause of the trouble. According to the ticket collector, this is what the ticket seller at Ogaki Station said: “A student rushed to the ticket window and said, ‘Ichimiya.’ He grabbed the ticket and rushed to the platform without receiving his change.” The ticket seller had given me a ticket for Ichimiya, and not for Nagoya.
Why? Because when I said to him, “Nagoya made ichimai (one ticket for Nagoya),” he missed my first words ‘Nagoya made (for Nagoya),’ and mistook the next ‘ichimai (one ticket)’ for ‘Ichimiya.’ I was at last cleared of suspicion.
I should have spoken more clearly and slowly.
急いては事を
45年程前、名古屋駅で嫌な思いをしたことがある。乗車運賃をごまかしたと疑われたのだ。当時私は大学生で、大垣から名古屋の大学に通っていた。
その日、発車間際に大垣駅に駆け込み、名古屋までの切符を買って汽車に飛び乗り、名古屋駅で改札を通ろうとしたら改札係に呼び止められた。切符が「一宮」行きだと言う。そんな馬鹿なことはない。ちゃんと大垣駅で「名古屋まで一枚」と言って切符を買ったのだから。しかし、改札係に渡した切符はどういうわけか「一宮」までだ。
「だって、あなたね、これは一宮までの切符でしょうが」
「でも、ちゃんと名古屋までと言って切符を買ったんですよ」
「だったら、どうして名古屋行きの切符かどうか確認しないんだ」
「そんなの誰がいちいち確認しますか。だいたい、名古屋までと言って、名古屋までの運賃を払っているのに一宮行きの切符を渡したほうがおかしい」
「本当ですか」
互いにだんだん語気が強くなってくる。
駅員は念のため大垣駅に電話をした。原因が分かった。大垣の駅員曰く「一宮と言ってお金を払った学生が、お釣りを受け取らずに切符だけ受け取って急いで行ってしまった」と。そうすると大垣の駅員は名古屋行きの切符でなく、一宮行きの切符を渡したのだ。
何故だ。それは私が「名古屋まで一枚」と言ったとき、大垣の駅員は「名古屋まで」がはっきり聞き取れなく、次の「イチマイ」を「イチミヤ」と聞き間違えたからだ。やっと誤解が解けて無罪放免となった。
こちらの言い方も悪かったのだ。
★このブログは私が南山中高等学校男子部の英語教員だったときに英語の副教材として発行していた「日英バイリンガル通信」の継続版です。★第1号は2002年11月発行で、当時の生徒は中学1年生でした。通信の最終号(第29号)は2008年3月発行で、生徒は持ち上がってきた高校3年生です。★同年3月に退職してからも同通信をブログで発行し続け、今日に至っています。 This is a continuation of the bilingual bulletin that I published for my students when I was an English teacher at Nanzan High School in Nagoya, Japan. I started the publication when I taught the seventh graders in 2002 and finished it when they graduated in 2008. I published 29 issues during the 6 years.
Friday, August 1, 2008
HASTE MAKES WASTE 急いては事を
日英バイリンガル通信 No. 35 Hiroshi Matsuoka 松 岡 博
浪人激励会 メッセジ
次の文は去る7月18日南山男子部で行われた「浪人激励会」のメッセージです。
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浪人諸君
松岡 博
今日は暑い中をご苦労さん。久しぶりに日ごろ会ってない同窓生に会って話もはずんでいることでしょう。残念ながら、諸君の激励会には参加できません。昨日17日から8日間の予定で、女房とニューカレドニア、いわゆる「天国に一番近い島」に行っていますので。諸君にじかに親しく顔を会わせて激励できなくても、私の激励の気持ちは、ここに参加されている旧高3の先生方と同じです。
私が現役の英語の教員をしている頃、先輩の英語の先生に、森という英語の先生がいました。私より15歳年上の先生でした。私が、たぶん40歳ぐらいのとき、森先生と話をしていて話題が退職のことになりました。わたしは森先生に「退職したら、英語を勉強しないかもしれない」と言ったら、森先生がカンカンに怒って「それじゃ、今までやってきた英語は一体何だったのか。そんな英語教師なんか辞めてしまえ」と言われました。森先生は英語に対する情熱が強く、特に英文法は相当の学識がありました。私の英語に対する中途半端な態度を叱られたのだと思います。
それから25年が経ち退職した今、私は英語を書いたり、聞いたり、読んだり、朝から晩まで英語ばかりやっています。英語馬鹿というやつです。森先生は他界されましたが、今の私の姿を見られたら、目を細めて喜ばれるでしょう。
実は私は退職したあと一ヶ月ぐらい体調を崩してしまいましたが、体調が回復したのはおそらく英語のおかげだったかと思います。わたしは今年65歳で、視力も弱ってきて、難儀しています。あとどれぐらい英語に親しむことができるかわかりませんが、視力と聴力がこれ以上衰えないように願うばかりです。
さて、諸君は大学合格を目指して、日夜まい進していると思いますが、人生、大学合格が目標ではありません。大学合格は単なる通過点に過ぎません。合格したあとのことを考えてください。大学で勉強し、卒業し、社会に出て働き、退職し、老後を過ごすという長い道のりがあるのです。今勉強していることが、諸君の人生に結びついていくのです。今勉強していることが、諸君の人生に指針を与えるのです。今一生懸命頑張っていることが30年後、40年後、いや50年後以降の生き方に結局のところ結びついていくのです。
幸い私は英語によって今の定年後の生活が救われています。好きな英語を教え、退職後も英語を続けて勉強できるというのは幸せなことです。私の生き方は諸君の参考にならないかもしれませんが、大学合格だけを目標にしないで下さい。目先のことのみにとらわれないで下さい。今諸君が進もうとしている分野、大学で勉強しようとしている専門分野を極めることを目標にしてください。その目標に近づけば近づくほど、その専門分野の学識は諸君の人生を豊かにし、人生を支える力となります。一生の支え、一生の力を養うために日夜勉強しているのだと考えてください。そうすれば、運悪く来春失敗しても立ち直りが早いです。受験のための勉強と思うから焦るのです。長い一生を付き合ってくれるもの、一生の同伴者を探していると思えばいいのです。それには中途半端はいけません。一生の伴侶は真剣に探すものです。その意味で今一生懸命勉強してください。そういう視点で受験生活を見てください。
昨日地下鉄に乗ったら、隣に座っている人が30歳ぐらいの東南アジア系の外人で、身長190センチ、体重120キロぐらいで、頭が丸坊主の、ひげ面の大巨漢でした。彼は左手に「クレヨンしんちゃん」の漫画を持ち、右手に電子辞書を持って、前かがみに座り、一生懸命漫画を読んでいました。新瑞橋で彼も降りましたが、彼はエスカレーターに乗っている間も「クレヨンしんちゃん」を辞書を頼りに読んでいました。諸君もこの巨漢に負けないように、長い目で受験生活をとらえて、頑張ってください。
松岡 博
今日は暑い中をご苦労さん。久しぶりに日ごろ会ってない同窓生に会って話もはずんでいることでしょう。残念ながら、諸君の激励会には参加できません。昨日17日から8日間の予定で、女房とニューカレドニア、いわゆる「天国に一番近い島」に行っていますので。諸君にじかに親しく顔を会わせて激励できなくても、私の激励の気持ちは、ここに参加されている旧高3の先生方と同じです。
私が現役の英語の教員をしている頃、先輩の英語の先生に、森という英語の先生がいました。私より15歳年上の先生でした。私が、たぶん40歳ぐらいのとき、森先生と話をしていて話題が退職のことになりました。わたしは森先生に「退職したら、英語を勉強しないかもしれない」と言ったら、森先生がカンカンに怒って「それじゃ、今までやってきた英語は一体何だったのか。そんな英語教師なんか辞めてしまえ」と言われました。森先生は英語に対する情熱が強く、特に英文法は相当の学識がありました。私の英語に対する中途半端な態度を叱られたのだと思います。
それから25年が経ち退職した今、私は英語を書いたり、聞いたり、読んだり、朝から晩まで英語ばかりやっています。英語馬鹿というやつです。森先生は他界されましたが、今の私の姿を見られたら、目を細めて喜ばれるでしょう。
実は私は退職したあと一ヶ月ぐらい体調を崩してしまいましたが、体調が回復したのはおそらく英語のおかげだったかと思います。わたしは今年65歳で、視力も弱ってきて、難儀しています。あとどれぐらい英語に親しむことができるかわかりませんが、視力と聴力がこれ以上衰えないように願うばかりです。
さて、諸君は大学合格を目指して、日夜まい進していると思いますが、人生、大学合格が目標ではありません。大学合格は単なる通過点に過ぎません。合格したあとのことを考えてください。大学で勉強し、卒業し、社会に出て働き、退職し、老後を過ごすという長い道のりがあるのです。今勉強していることが、諸君の人生に結びついていくのです。今勉強していることが、諸君の人生に指針を与えるのです。今一生懸命頑張っていることが30年後、40年後、いや50年後以降の生き方に結局のところ結びついていくのです。
幸い私は英語によって今の定年後の生活が救われています。好きな英語を教え、退職後も英語を続けて勉強できるというのは幸せなことです。私の生き方は諸君の参考にならないかもしれませんが、大学合格だけを目標にしないで下さい。目先のことのみにとらわれないで下さい。今諸君が進もうとしている分野、大学で勉強しようとしている専門分野を極めることを目標にしてください。その目標に近づけば近づくほど、その専門分野の学識は諸君の人生を豊かにし、人生を支える力となります。一生の支え、一生の力を養うために日夜勉強しているのだと考えてください。そうすれば、運悪く来春失敗しても立ち直りが早いです。受験のための勉強と思うから焦るのです。長い一生を付き合ってくれるもの、一生の同伴者を探していると思えばいいのです。それには中途半端はいけません。一生の伴侶は真剣に探すものです。その意味で今一生懸命勉強してください。そういう視点で受験生活を見てください。
昨日地下鉄に乗ったら、隣に座っている人が30歳ぐらいの東南アジア系の外人で、身長190センチ、体重120キロぐらいで、頭が丸坊主の、ひげ面の大巨漢でした。彼は左手に「クレヨンしんちゃん」の漫画を持ち、右手に電子辞書を持って、前かがみに座り、一生懸命漫画を読んでいました。新瑞橋で彼も降りましたが、彼はエスカレーターに乗っている間も「クレヨンしんちゃん」を辞書を頼りに読んでいました。諸君もこの巨漢に負けないように、長い目で受験生活をとらえて、頑張ってください。
健闘を祈ります。 Good Luck!
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